失業とインフレの「トレードオフ」関係とは?

5月11日 日本経済新聞「経済教室」の記事です。

・・・経済学では失業とインフレはトレードオフの関係にあり、失業率を下げようとするとインフレになり、インフレを抑えようとすれば失業率は上がると考えます。どちらの政策を重視すべきか。

トレードオフ(tradeoff)を辞書で調べると、「犠牲」「交換」という訳になっています。
直訳だとピンときにくい言葉ですね。
記事にある通り、
2つの物のうち、一方を優先すると他方を犠牲にせざるを得ない状態
=「トレードオフ」 と呼びます。

算数だと「反比例」
統計の言葉では「逆相関・負の相関」 とも言えますね。

そして、マクロ経済学を学習した方は、上記の内容が
「フィリップス曲線」によって描かれることはご存知でしょう。

philipscurve

グラフの右下が「デフレ・不況」、左上が「インフレ・好況」を表していることになります。
今は… グラフの中ほど辺りでしょうか?
「失業率を改善したいとき、ある程度のインフレを我慢する」ことになりますね!

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「質的」金融緩和政策を続行



昨年以来、アベノミクスの影響で、「金融政策」が良く出題されるようになっています。
以下、財形新聞の記事からです。

日本銀行は30日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成8反対1の賛成多数で決定した。マネタリーベースを年間約80兆円のペースで増加させる金融市場調節を継続する。
  日銀は同日、「経済・物価情勢の展望」を発表し、物価安定目標の2%に達する時期が「2016年度前半ごろになる」として、達成時期の見通しをこれまでの「15年度を中心とする期間」から後ずれさせた。(5月1日 財形新聞)

いわゆる「インフレ目標」(2%)を付けた
量的&「質的」金融緩和政策 が始まったのが、2013年4月です。
(=通貨量を目標を決めて増やす&日銀が買い上げる資産の対象を株式などに広げる

2年をめどに、インフレ目標を達成することを念頭に置いていましたが、
2年が経過した現在、そこまでに至らない状況を見て、
目標達成時期をずらし、これまでの金融政策を継続するという内容ですね。

「お金をどんどん刷ると、インフレになる」というのは良く聞くセオリーですが、
上記のような派手な金融政策に踏み切っても、インフレ効果が少ないようです。

ということは、
日本経済のお金の流れは、まだ鈍いものであり、
デフレ経済から抜けきっていない証拠であるといえるでしょう。

ちなみに、記事の中の
マネタリーベース=日銀が操作可能なお金(ベースマネーとも呼ぶ) であり、
このマネタリーベースを基に、
マネーストック=市中に出回るお金(従来マネーサプライと呼んでいたもの) が
拡大することを狙っています。

マクロ経済学では、マネタリーベースは「ハイパワードマネー」と呼ばれていて、
マネーストック÷ハイパワードマネー で計算した倍率が「通貨乗数」です。

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